2nd


► TRIAL LISTENING     – 試聴

北 航平 – kita kouhei 2nd Full Album “akashic records” Digest    – Experimental Music , Electronic , Ambient , New Age , Contemporary Music –


 
『生命の誕生、遥か彼方への航海、消えゆく記憶、そしてまた始まりへ。
宇宙誕生以来すべての事象・想念・感情が記録されているという世界記憶の概念である「アカシックレコード」を表現した本作は、ファーストアルバムのテーマを引き継ぎながらも更にその世界観をスケールアップ。フィールドレコーディングによる自然音や環境音、ノイズなどをコラージュし、抽象画のような「音」の世界観を構築している。
また、ピアノやカリンバ、トイピアノやスリットドラム、ジャンベをはじめとした様々な打楽器、さらには人の声を重ねて作り出したアナログシンセのような音色など「生の質感」にこだわったサウンドも聴きどころのひとつである。前作同様サウンドイメージをより深く想起させるジャケットのアートワークも自ら手掛ける。
独自の感性と切ない歌声でミュージシャンからも高い評価を集める高山奈帆子(カルネイロ)も前作に引き続きゲストボーカルとして参加。』
 
 

► REVIEW     – レビュー

アメリカ     – the United States    『TEXTURA
オランダ     – the Netherlands    『VITAL WEEKLY
ドイツ     – Germany    『BAD ALCHEMY』Coming soon…
 
 

► COMMENT     – 推薦コメント

 

岸田繁 / くるり・サンフジンズ・作曲家

グリッチ・ノイズ、アンビエントな音像、柔らかなパッドが指し示す季節感、木漏れ日のように光を指し示すピアノ、子供達の遊び場に転がっているようなカリンバの遊び、グルーヴには届かないブロークン・ビーツとカットアップ、遠くから聴こえる女性ボーカル…どこかで聴いたことのある音たちが控えめに鳴り響くベッドルーム・ミュージック。

ジャンルで言うところの、それなりに形式的なエレクトロニカ/ポストチルウェーブ。全てがそれなりに使い古されたものなのかも知れないけれども、もしかしたら日常の散歩が、未知の世界と繋がっているのかも知れない、と言い換えられるかのような、少しばかりの希望を指し示すような音の群像。

その作り手は僕の小学校の同窓生で、転校生。こないだ初めて喋りました。いい顔をしてました 笑。

http://www.quruli.net/


廣田明香 /  イラストレーター

朝目覚めて、聴こえてくる心地よい音。母親が動く音。
食事を作ったり、掃除機や洗濯機を回す音。
幼い頃の、聴こえてくる母親の音に安心して、ベッドでもう一度眠った。

“アカシックレコード”を聴いて、刹那さと懐古する感覚になった。

そして、私が無償の愛に包まれていた時代に帰りたくなった。
幼い頃に、私を包んでくれていた母親の愛。そして、祖母の愛。
包んでくれていたのは、母や祖母だけではない。自然の愛にも包まれていた。
空が、水が葉っぱが土が、今よりももっともっと近くにあって、そこにはいい匂いも、臭い匂いもあったけど、肺の中までいっぱい吸いこんだ。

ああ、もっと追憶したい、あの頃のこと。
でも、もう、忘却の彼方…。

幼い頃の何気ない記憶は、ほんの少ししか覚えていない。
だけど、その記憶も忙殺される日々に忘れていきそう…。
消滅してしまいそうな小さな記憶に、
“アカシックレコード”は「忘れてはいけないよ」と釣り糸を垂らして、引っ掛けてくれる。
時空を越えて、記憶の再生ボタンに触れてくれる。

http://www.sayakah.com/
 
 

► PERSONAL COMMENTARY     – 本人による解説

 
去年発表した初めてのソロアルバムは、自分のパーソナルな状況、深く潜って掘り起こして、地中奥深くに埋めてあったものを表に出す作業が中心やった。幼少の頃の純粋な感情から始まり、学生時代の暗黒時期、大人になってからの人間関係から音楽業界へのジレンマなど、まあ言うたら基本的にはネガティブな物事を中心に構築された作品やったわけなんです。ものすごくめんどくさく、あるいは結構痛い作業ではあったんやけど、自分的にはとても重要で必要なことやったんです、これが。

今回の2ndアルバムはそんなベクトルとは一転して、もっと広いものを表現しようと思った。
不思議なもので、地中深くに眠っていた黒いものも一度掘り返して太陽の光に当てたら、もうどうでもよくなったと言うか、色々と成仏してくれたみたいにスゥ~っと昇華していってくれるもんなのです。

なので、今回の作品は、ごく個人的ではあるけれど、小さな箱庭的な宇宙を作りたいな、と。その小さな世界の中には前後する膨大な時間の流れもあり、場所の移動もあり、生命も誕生し、進化し、その生命のひとつひとつが喜び・悲しみ・楽しみ・嫉妬・痛み・矛盾・美しさなどの感情を持ち、それの集合体によってまた小さな世界を構築し、やがては滅びて、そしてまた新しく文明が始まる、というものを表現したかった。

僕が一番尊敬するアーティストは実は音楽家でもなんでもなく、漫画家の手塚治虫やったりするのですが、その代表作のひとつ『火の鳥』の世界観に共通する概念を、100分の1でもいいので「音」で表現できないものか、とアホみたいな顔して模索して出来上がったのが本作なんです。栄華の限りを尽くして滅びた遥か未来の先で、また新しく芽生えた文明の息吹が、実は今の世界の黎明期だった、というようなニュアンスを10曲の中に箱庭的に詰め込んでいます。それぞれの楽曲の世界観に関しては、聴いた人がそれぞれ好きなように解釈して想像して楽しんでもらえたらいいと思います。

さて、次はどんな世界に行こうかな。
今は全く真っ白な状態なんですが、その時期も楽しいもんです。

ホンマ独り言やけど…。